2020年5月ペアレントトレーニングを受講する機会に恵まれました。
この「ペアレントトレーニング(PT)受講記」は、ペアレントトレーニングを受講して、感じたことや勉強になったなぁと思ったこと、大切にしたいなぁと思った言葉など、備忘録的な記録です。
「私の場合」という前提がありますが、同じように悩んでいる人や、ペアレントトレーニングを受講するか悩んでいる人の参考になったら嬉しいなぁと思っています。
ペアレントトレーニングってこんなことをするんだなぁと参考程度に読んでもらえたら幸いです。
Contents
第1回の流れ
私が参加したペアレントトレーニングは、1回あたり2時間の予定で行われます。
2時間の濃度は濃くて、あっという間に終わった印象を受けました。
第1回目は、「オリエンテーション」でした。
第1回目の目標と流れは以下のようになります。
第1回の目標
目標
- 自己紹介をして、他のメンバーやスタッフのことを知る
- ペアレントトレーニングの目的について確認する
- 発達障害の一般的な特性について確認する
第1回の流れ
流れ
- スタッフ紹介、自己紹介
- ペアレントトレーニングの目的を確かめよう
- ミニ講義~子どもの特性を知ろう~
- 休憩
- 話し合い~子どものことやペアレントトレーニングに期待すること~
- 宿題についてー行動観察シートー
- 今日の振り返り
スタッフ紹介、自己紹介
実は、何人くらいの参加者なのか、どんな人が参加するのか、全く分かっていなかったので、ペアレントトレーニングに参加する日が近づいてくると、ちょっとドキドキしていました。
私自身、1人で居ることがスキですし、人見知りをします。
仕事スイッチをONにすれば、初対面の人とも話をすることができますが、「初めての場所・人」というのは、とても緊張してしまいます。
今回のペアレントトレーニングは、私を含めて6人の保護者が参加していました。
自己紹介では
- 参加者の名前(今回の保護者は全員ママが参加していました)
- 通院している子どもの名前・年齢
- ママのストレス発散法
を発表し、順番に自己紹介をしました。
スタッフは、臨床心理士3名、小児科医2名で、参加している保護者の人数とほぼ同じ人数だったことに驚きました。
スタッフの方も、名前やストレス発散法などの自己紹介をして、とても和やかな雰囲気でスタートしました。
ペアレントトレーニングの目的を確かめよう
配布された資料を用いて「ペアレントトレーニング」について説明を聞きました。
ペアレントトレーニングとは
ペアレントトレーニングとは?
ADHDなどの発達に課題のある子どもを持つ保護者を対象に、アメリカを中心に発展してきたプログラムです。
私が受講しているペアレントトレーニングプログラムは、受講を通して、お母さんと子どもが共に自信を取り戻し、より良い親子関係で日々の生活が送れるようになってほしいという思いがこもったプログラムであるという説明を受けました。
自分と子どもとの関係をみてみましょう
毎日の生活。忙しい日々。
私の場合は、まさしく「関係の悪循環」になっている状態です。
これを、「良い循環の親子関係」に変えていくのが、ペアレントトレーニングの目的です。
親子の間で、笑顔や良いやりとりが増える。
お互いに自信・意欲が増すような、上手な関わり方を身に着けたいなぁと思いました。
ペアレントトレーニングの進め方
私が受講しているペアレントトレーニングは10回のプログラムが予定されています。
毎回、子どもの行動をより良く理解したり、行動療法に基づいて効果的に対応するための考え方や方法を勉強します。
勉強した内容は、「宿題」として、家で練習してきて、その内容を記載して、次回のペアレントトレーニングに持参します。
持参したものを、発表し、振り返りや話し合いを通して達成度を深めていくという進め方です。
すぐに目に見える効果は表れませんが、ステップ・バイ・ステップで、ゆっくりと進めていきましょう、と声をかけて頂きました。
ペアレントトレーニングに期待できること
ペアレントトレーニングに期待できることは
- 行動療法
- 親子関係
- メンバー同士のサポート
です。
行動療法
子どもの「行動」に焦点をあてて、その行動が起こる理由を理解して、より効果的で一貫した対応を行います。そうすることで、良い行動を増やして、困った行動を減らしていくことが期待できます。
宿題の実践や振り返りを繰り返して、「どう対応したらうまくいくか」ということを学びます。
親子関係
ペアレントトレーニングを学び、実践していくことで、「良い行動⇔ほめられる」機会を増やしていきます。
その結果、お母さんのストレス軽減や、子どもとお母さんの双方の自信の回復が期待できます。
ペアレントトレーニングを実践していくことで、家庭内でポジティブなやりとりが増えることが期待できるそうです。
メンバー同士のサポート
同じような困りごとを持っているメンバーで学習したり話し合ったりすることで、お互いに共感したり支え合ったりする関係が生まれるそうです。
それぞれのメンバーの対応の工夫についてアイデアを交換し合うこともできます。
ペアレントトレーニングで期待できないこと
- ADHDなどの障害の主症状をなくすことはできません。
- 学んだことを、日常で用いずに子供を変えることはできません。
例えば、ADHDでは、多動(落ち着きがない)という症状が目立つことがありますが、ペアレントトレーニングをしたからといって、このような症状をなくすことはできないそうです。
ペアレントトレーニングを受講するだけで、家庭内での実践を行わない状態では、変化は表れません。講義を受けて、宿題に取り組み、実践することが大切なことです。
発達障害の一般的な特性について~子どもの特性を知ろう
小児科の先生から、資料を基に説明を受けました。
自分の子どもに当てはまることばかりで、胸が少しキュッとなりました。
特に、わが子は、「やんちゃな昭和の子みたい」と言われることがあります。みなさんかわいがってくれるのですが、「知り合いの子」という枠組みから離れて社会に出た時に、子どもが困らないようにしてあげるのが私の役割かなと思っています。
小児科の先生が、「唯一無二の個性。個性が時代に合えば、才能と言われることもある。」と言われ、時代が昭和(私が過ごした時代と同じ頃)だったら、私の受け止め方も違ったのかな?と思ってしまいました。
先生の資料では、「まったくうちの子の状態だ」と思う説明ばかりでした。
ADHD
「何度言ったら分かるの!」「だから言ったでしょ!」と言われてばかり。
私は、家でこんな言葉ばかり言っているなぁと思いました
ADHDの子どもがその場にふさわしい行動をとったり、周囲の誤解を受けたり、時に失敗したりする原因は、「どうすれば良いかを理解していないためではなく」、物事の結末を予測して、今の自分の「行動・感情・思考・注意・時間管理」を吟味する力が弱いためです。
漠然と、「なんでできないのかなぁ…」と悲しい気持ちになっていましたが、親のかかわり方で、吟味する力を引き出してあげられるような関わり方ができたらいいなぁと思いました。
本人に尋ねても「困っていることはない」と答えるかもしれない。でも、漠然とした困り感をうまく言葉で表現できない。自分では当然と思っていて、気づいていないことも。
私は、通院するようになってから、「何か困ってない?」と聞いていました。
息子は、「何もない」と答えていました。ずっと、本当に困っていないのかな?うまく言えないだけかな…と悩んでいましたので、この説明で、やっぱりそうだったんだなぁと思いました。
ADHDそのものは、環境によるものではありませんが、家庭環境や学校環境の影響を受けて、反抗的になったり、不安が高まったり、気分が落ち込んだりすることあります。このような二次的な問題が生じる背景に共通するのは自尊感情の低下です
まさしく、ペアレントトレーニングを受けたいと思った理由でした。
ついつい強い口調で怒ることが多いので、自尊感情を低下させてしまっていると日々反省しています。ペアレントトレーニングを受講することで、親子の良い循環の環境を目指したいなぁと思いました。
話し合い~子どものことやペアレントトレーニングに期待すること~
今回は第1回だったので、「ペアレントトレーニングを受講しようと思ったきっかけやペアレントトレーニングに期待すること」を、それぞれの参加者が発表しました。
10人くらいの集団ですが、初めて会う人の前で、発表するのは緊張しました。
とくに、話さなくてはいけないことは、自分や子どものプライベートな部分です。
「う~~ん…」と悩みました。
私が発表したのは3番目。
1番目・2番目のお母さんが、子どもの様子や悩んでいることなどををきっかけに、とお話された内容に、「私もそうだな~」と自然と共感していました。
自分が発表する時には、みんなに注目されているという緊張感はありましたが、自分の気持ちや思いを発表することには、あまり抵抗を感じませんでした。
同じ病院に通院している、同じように悩みや不安があるという共通項が多い人が集まっていることで、自分のことを話すハードルは自然と下がったのかなと思います。
宿題についてー行動観察シートー
宿題は2つ出ました。
- 良いところ探し
- 行動観察シート
です。
良いところ探し
良いところ探しでは、子どもの「良い行動」「良いエピソード」を見つけてきて、次回発表する宿題が出ました。
「優しかったです」といった曖昧なエピソードではなく、具体的な行動やエピソードを見つけてきてね、とアドバイスがありました。
行動観察シート
日常によくある、ちょっと困った場面を行動観察シートに記入します。
ここでは、「実際に自分が子供と関わった場面をチョイスする」ことが大切なようです。
学校の先生から聞いた困った場面ではなく、実際に体験した場面を切り取って記入します。
実践途中の感想
私の関わり方・声掛けの仕方で、子どもの反応が随分と違うことを改めて気づきました。
自分自身がイライラしている時には、そのイライラが子供にも伝染して、イライラした反応が返ってきます。そこにまたイライラして、悪循環になってしまっていることに気づきました。
子どもが、他のことに集中している(テレビなど)のに、私が子どもにしてほしいことを、子どもの優先度ではなく、自分の優先度で言っていることに気づきました。
「客観的観察」を意識したことで、自分勝手だった私に気づきました。
今日の振り返り
アンケート用紙が配られましたので、記入して、第1回目のペアレントトレーニングは終了しました。
アンケートには、「講習中に聞けなかったことや気になったこと」を書く欄もあり、次回先生が答えてくれるそうです。
普段の通院では、まとまった時間が取れず、遠慮して聞けないことも、ペアレントトレーニングでは聞くことができます。
これだけでも、参加したかいがあるなぁと思いました。
▼色んな本を読みましたが、この本は漫画で構成されていて読みやすかったです▼