病院に入院するって、人生の大きなイベントですよね。緊急入院であれば、なおさらです。
家族が急な入院をしなくてはいけなくなった時、入院した本人が必要なものを準備する事は難しいですね。入院の知らせを聞いて、あなたも動揺しているかもしれません。
そんな、家族の入院で動揺してしまった時にも、患者さんが少しでも快適に過ごせるように、準備してほしいものを書き出しました。これを見ながら準備してみてくださいね。
Contents
着替えやタオル
パジャマ
入院中はパジャマ姿で過ごすことが多くなります。最近は、レンタルサービスが普及してきて、病院で借りる事ができる事も多くなってきました。
患者さん自身が自分で身の回りの事ができない時期は、点滴や検査・診察など、医療者の介入が多くなる時期でもあります。
持参する場合は、
- 袖口や首元にゆとりがある
- 前開きのもの
を選ぶようにしましょう。
下着類
体を締め付けるような下着ではなく、ゆったりとした下着を準備しましょう。
もしかしたら、自分で身の回りの事ができない時期は、オムツを着用する可能性も高いです。あまり沢山の下着は必要ありません。看護師に相談しながら後から準備しても大丈夫です。
肌着を準備する時にも、パジャマと同じように袖口や首元にゆとりのある、前開きのものを選んでください。
バスタオル
自分で身動きがとれない状態の時には、体の下に敷いて、看護師が体の向きを変える時に利用します。
掛け物では暑すぎる時・寒すぎる時に1枚お腹の周囲に掛けたりしても利用します。
ハンドタオル
氷枕のカバーに使ったり、体を拭いたりする時に使用します。
多めに準備しておくと、清潔なタオルを使う事ができます。
タオルケット
バスタオルでも代用できますが、掛け物では暑すぎる時・寒すぎる時に1枚お腹の周囲に掛けたりしても利用します。
肌触りの良いものが1枚あると、患者さんも嬉しいと思います。
洗面用具
歯ブラシ・歯磨き粉
自分で身の回りの事ができない状況の時には、歯磨きをしないと思われるかもしれませんね。患者さんの状態に合わせて、歯磨きはしています。
口の中の清潔は、入院中の合併症を予防する為にもとても大切です。
歯ブラシ以外にも、看護師から「口腔ケアグッズ」を準備してほしいと声がかかる場合もあります。その時には、ぜひ、追加で準備をしてください。
入れ歯・入れ歯洗浄剤・入れ歯入れ
入れ歯を利用中の人は、入れ歯の清潔も、歯磨き同様大切です。
入れ歯が入っていると分かる入れ歯入れ(だからと言って透明のコップに入っていると、少し見た目が悪いですね…)や洗浄剤も持参してくださいね。
コップ・楽のみ
自分で身の回りの事ができない状態の時は、口の中に水を含ませる事ができない場合もあります。そんな時は、「楽のみ」が重宝します。
最初から準備するのではなく、看護師に相談してもらえると、その時に必要なものをお伝えしますので、準備をお願いします。
くし
自分で身の回りの事ができない状況でも、シャンプーをしたり、できるだけ清潔な状態を保つことができるように、看護師はお世話をします。
櫛もぜひ、準備してください。
髭剃り
男性の場合、無精髭のないスッキリしたお顔の方が、嬉しいですよね。少し元気に見えます。
カミソリでの髭そりは、肌を傷つける可能性があるので、電気シェーバーを持って来てもらえると、手軽に髭剃りができて助かります。
お風呂
シャンプー・リンス・ボディソープ
ホテルではありませんので、ほとんどの病院が備え付けていないと思ってください。
入院期間によって、大きめのもの、旅行用のサイズなど、判断して持参しましょう。
身の周りの事が自分でできない状態の時には、病院によってはシャワーに入る機会が少ないかもしれないので、小さめサイズから準備してみるといいと思います。
石鹸
自分で身の回りの事ができない状態の時でも、排泄の介助は大切です。清潔に保つことも大切です。
全身をタオルで拭く際に、お下の方は石鹸を使ってきれいにする事が多いです。その時には、固形石鹸の方が、ほんの少しだけ使用して、石鹸成分を洗い流す事が容易にできます。
体を洗うタオル
ボディウォッシュタオルを準備すると、泡立ちも良く、乾きも早いですね。
タオルを代用する場合は、新品のきれいな分厚いタオルよりも、使い古したタオルの方が泡立ちがいいので、洗う時に気持ちがいいです。
保湿剤
病院は、常に空調が入っているため、乾燥しています。
自分で身の回りの事ができない状態の時は、皮膚がカサカサになりやすいです。
保湿剤があると、ケアの時に塗ることができるので、患者さんも嬉しいと思います。
オムツ
おむつ
オムツは、病院が指定するものを購入しなくてはいけないパターンもあります。入院する病院に確認してみる事をおススメします。
リハビリパンツがいいのか、テープ式のオムツがいいのか、分からないと思いますので、看護師に相談してくださいね。
おしり拭き
自分でトイレに行く事ができない場合、ウォシュレットトイレを利用できないということです。
普段ウォシュレットトイレを利用されない方も居ると思うのですが、オムツの性能が良くなっているとはいえ、オムツを使用するのは不快なものです。
ムレないようにきれいに拭いてあげたいので、オムツを使用している場合は、「お尻拭き」の準備をお願いします。
濡れていないトイレットペーパーだけでは取ってあげられない汚れは多発します…
お食事
お箸・スプーン・フォーク
身の回りの事が自分で出来ない状態の時には、絶食で過ごす事も多いのですが、回復してくると、お食事が開始になります。
病状にもよりますが、もしも、麻痺が残るような場合などは、リハビリ担当者と相談しながら、患者さんに合ったスプーンの準備などが必要になってきます。
急いで準備する必要がない事も多いので、看護師に相談してくださいね。
エプロン
身の回りの事が自分で出来ない状態の時には、看護師や家族の介助でお食事をしたり、自分で練習をしながら食べる事が多いと思います。
そんな時に、ナイロン製のお食事用エプロンがあると、洗いやすく乾きやすいです。
タオルでも代用できますが、こぼれ落ちた食事が固まってしまい、洗濯が大変です。
コップ・楽のみ・ペットボトル用ストローキャップ
患者さんの状態によって、水分を取る時に適切に使用できるものが異なります。
寝たままでも飲みやすく、こぼしにくいのは、「楽のみ」「ペットボトルに専用のストローキャップを付けたもの」です。
楽のみの先端や、ストローは、意外に不潔になりやすいものです。面会に来た時には洗浄をお願いします。
ベッド周囲
室内履き
ベッドから離れる事ができるようになってくると、履物が大切になってきます。
足がむくんだり、細くなってしまっている事も考えられるので、履き口が調整できるものがいいでしょう。
かかとのある、着脱のしやすいもの、滑りにくいものを用意しましょう。
ティッシュペーパー
口元を拭いたりして、使用頻度は高いです。1箱は準備してください。
ウェットティッシュ
ベッド周囲など気になる汚れを拭く、手を拭くなど意外と重宝します。
少しずつベッドから離れる事ができるようになった時や、ベッド周囲でトイレをしなくてはいけない状況の時に、手を拭いて清潔にする事ができるので、とても助かります。
ビニール袋
汚れた衣類を入れたり、手元用のごみ箱代わりにしたり。レジ袋のようなビニール袋は数枚あった方が便利です。
S字フック・洗濯バサミやかご
起き上がって、身の回りの事が自分でできない状態の時は、手の届く範囲に必要な物があると、とても助かりますね。
バラバラと頭元に必要な物があると、ベッドの頭元を上げたり(ギャッジアップ)する時に、元の位置に戻すのが大変です。かごなどに整理して置いておくといいですね。
小銭と千円札
起き上がって、身の回りの事が自分でできない状態の時は、じっとテレビを観るしかできないという事もあります。
テレビカードや自動販売機などは、千円札までしか利用できないものが多いです。1万円札を持参するよりも、千円札を10枚持参した方が便利です。
両替してください、と言われる事もありますが、病院はそこまでお世話できませんので、小銭と千円札は用意しておきましょう。
小さめのカレンダー・小型の置時計
入院して、身の回りの事が自分でできない状態の時には、ベッドの上で天井だけを見つめる時間も多くなります。日にちの感覚が分からなくなってしまいがちです。
今日の日付や曜日、時間が分かるものがあると、いいですね。
事務手続きに必要なもの
健康保険証・高額療養費認定証・診察券
家族の保険証や診察券がどこにあるのか、日頃から把握しておくことが大切です。
いざという時に慌てなくてすみます。
自宅で内服している薬とお薬手帳
お薬手帳と共に、普段内服しているお薬を確認します。病状によっては、止めておかなくてはいけない薬もありますので、サプリメントなども、隠さずに教えてください。
点滴だらけで、まだご飯をたべていないよ、という時期でも、ご飯が開始になった時にスムーズに食事・お薬を開始できるように、入院時に普段内服しているお薬やサプリメントを確認することは大切になっています。分かる範囲で持参してくださいね。
筆記用具・印鑑
入院すると、色々な書類にサインをする機会が増えます。医療者がペンをお貸しする事もありますが、持参しておくとスマートです。
本人がサインを書けない場合、家族に代筆してもらう事もありますが、その際には印鑑も頂戴することがありますので、一緒に準備しておかれるといいでしょう。
A4クリアファイル
入院すると色々な書類にサインをする事が多いのですが、サインをした書類は、必ず患者さんや家族にお渡しします。
書類を沢山受け取る事になりますので、失くさないように保管できるようにクリアファイルがあると便利です。
主治医からの説明などは、説明を聞いている時には分かったつもりでも、後になると、「よく覚えていない」という感覚になる事も多いものです。
そんな時には、もらった書類を見返してみたり、看護師に遠慮なく尋ねてくださいね。
まとめ
いかがでしたか?身の回りの事が自分でできない状態の家族に準備してほしいものをご紹介しました。
着替えやタオル
- パジャマ
- 下着類
- バスタオル
- ハンドタオル
- タオルケット
洗面用具
- 歯ブラシ・歯磨き粉
- 入れ歯・入れ歯洗浄剤・入れ歯入れ
- コップ・楽のみ
- くし
- 髭剃り
お風呂
- シャンプー・リンス・ボディソープ
- 石鹸
- 体を洗うタオル
- 保湿剤
オムツ
- おむつ
- おしり拭き
お食事
- お箸・スプーン・フォーク
- エプロン
- コップ・楽のみ・ペットボトル用ストローキャップ
ベッド周囲
- 室内履き
- ティッシュペーパー
- ウェットティッシュ
- ビニール袋やジップロックの小袋
- S字フック・洗濯バサミやかご
- 小銭と千円札
- 小さめのカレンダー・小型の置時計
事務手続きに必要なもの
- 健康保険証・高額療養費認定証・診察券
- 自宅で内服している薬とお薬手帳
- 筆記用具・印鑑
- A4クリアファイル
焦って、全部を準備する必要はないかもしれません。
可能な限り、患者さんに面会に来て頂き、「その時」に必要なものを準備して頂けると、患者さんも看護師も助かります。
身の回りの事が自分でできない状態の時は、家族の心労も大きいと思います。看護師は、患者さんだけではなく、ご家族の事も気にかけていますので、何でも相談してくださいね。