2020年5月ペアレントトレーニングを受講する機会に恵まれました。
2週間に1回受講するペアレントトレーニング。
これまで、本を読んで自分なりに勉強して、子どもとの関わり方を変えたいと頑張っていたつもりでした。
本を読んで知識を得ることもとても大切だし、後悔はしていません。
しかし、実際にペアレントトレーニングを受講して、具体的に子どもの行動への対応方法・声掛けの仕方などを学ぶことができるので、本を読んでいるだけよりも、実践しやすいと感じています。
今回は、参加者の発表や先生方からのアドバイスが予定時間をオーバーし、一部流れが変わった部分もありましたが、第3回を振り返ってみたいと思います。
第2回目のペアレントトレーニングは「子どもの行動の観察と理解」でした▼
Contents
第3回の流れ
ペアレントトレーニングは、毎回自宅で宿題を実践してきます。
宿題をしながら子どもと接することで、子どもの傾向や自分の傾向を改めて見直す機会になっています。
目標
- 子どもの良い行動に肯定的な注目をしましょう
- 上手なほめ方を身につけましょう
流れ
今回は、宿題報告の「良いところ探し」と「タイプ分けシート」の報告とアドバイスが盛り上がり、予定していた「行動観察シート」の宿題報告をする時間がなくなってしまいました。
本当は、休憩の前にミニ講義が行われる予定でした。
休憩後に行動観察シートの宿題報告を発表予定でしたが、時間の関係で流れが変更になりました。
- 良いところ探しの発表
- 宿題報告~タイプ分けシート~
- 休憩
- ミニ講義~子どもの行動への良い注目の仕方と上手なほめ方~
- 宿題について
- 今日の振り返り
良いところ探しの発表
土曜日:
- お友達の家に遊びに行った。
- 帰宅は18時と約束した。
- 実際の帰宅時間は18:20。
- 約束が守れないならお友達の家に遊びに行けないと注意した。
日曜日:
- お友達と遊びに出かけた。
- 18時には家に居るように、18時5分前には家に居るように約束した。
- 16時頃、私と娘はお出かけし、息子が公園で遊んでいるところを見かけた。
- 息子は約束通り17:55に帰宅してきた。
- 家に居るはずの私と娘がいないため、外出中の私の携帯に「帰ってきたよ」と報告の電話があった。
2日続けて同じような場面があり、2日目には「約束を守る」行動ができて良かったと報告しました。
先生からの質問
- 約束通りの時間に家に帰ってきた息子くんを褒めましたか?
- 家に居るはずの時間にお出かけしていて、息子くんが不安になったことに関して謝りましたか?
先生は、この場面の状況確認を含めた「問いかけ」をしてくれました。
- 先生からの質問で、「約束を守れて良いところ」だと認識したのに、褒めていなかった自分を自覚しました。
- 18時に家に居るという息子との約束を守らなかった自分は、息子に謝ったかな?と自信がなくなりました。
- 息子からの「何で家に居なかったの?」という質問に「ごめんごめん」とは答えたかもしれない…そんな感じでしか思い出せませんでした。
子どもには、沢山の要求をしています…
私は、私の要求通りに子どもが行動できなかった時に、怒っています…。
でも、実は私は子どもに許されてばかりいるなぁと感じました。
現時点でのペアレントトレーニングは、「褒める」ことを意識する時期です。
自分の発表した内容で、「褒めることができなかったなぁ」と振り返りました。
同時に子どもから許してもらっている自分にも気づくことができました。
宿題報告~タイプ分けシート~
第2回目のペアレントトレーニングで『強化の理論』について学びました。
子どもの行動を
- 好ましい行動(増やしたい行動)
- 好ましくない行動(減らしたい行動)
- 許しがたい行動(なくしたい行動)
に分けて、シートに記載する宿題です。
好ましい行動(増やしたい行動)
実際に私が宿題提出した内容です。
- 言われる前に宿題をした
- 塾に行く時に自主的にマスクを取りに行った
- 塾の前にファミマに寄る時間がない事を伝えたら文句を言わずに受け入れた
- ファミマで買った鬼滅の刃グッズはグラタンが焼ける間にお風呂に入った後で開けて、という事を素直に聞けた
- 動画を見る時に、タイマーを設定してアラームが鳴ったらやめることができた
- 布団に行った後、降りてきて「朝から薬の箱に薬が入ってなくて準備するのが面倒くさかったからランドセルの薬を飲んで、今ランドセルに入れたけん」と報告があった。自分自身でランドセルの薬の補充ができた
- 「そんなに怒るな!言い方考えろ」と言って怒りながらも宿題をした
- 宿題が終わった後は怒られた事を忘れたようにカラッとしている
- 学童を休む時のルールを守ることができた
好ましくない行動(減らしたい行動)
- 自学をしたらファミマに連れて行ってと言う
- 文房具を使ったら使いっ放し
- 水筒を学校に忘れてくる
- 学童を休む時のルールを守らなかった
- 祖母に「宿題は終わった」と嘘をついてテレビを見た
- 怒られてリモコンを投げた
- 自分の考えてたようにならない時に、大人や相手に対して、過去のことからほじくり出して、ネチネチと文句を言う
- 怒ったら物を投げる
- 宿題を終わらせずにサッカーに行った
許しがたい行動(なくしたい行動)
なし
- 好ましい行動(増やしたい行動)
- 好ましくない行動(減らしたい行動)
- 許しがたい行動(なくしたい行動)
この分類には正解はありません。
なぜ好ましくない行動・許しがたい行動と分類したのか、自分なりの基準を考えることが大切です。
今回、私は、許しがたい行動は「なし」としましたが、
- 物を投げる
- 嘘をつく
- 相手が嫌な気持ちになることを分かっていてネチネチ文句を言う
というのは、減らしたい行動と許しがたい行動のどちらの分類にするか悩みました。
家庭内の出来事としては、「好ましくない、今後減ってほしい」と思う行動でした。
しかし、この行動がお友達など、関係性を築いていかなくてはいけない相手に対して行われた時には、「許しがたい行動」になると思いました。
タイプ分けシートの振り返り
朝、子どもが学校に行くまで
子どもが学校から帰って来てからの時間
家に居ると、子どもを怒ってばかりいる気がしています。
実際、怒っていると思うのですが、タイプ分けシートに記載してみると、【意外と好ましくない行動は少ない】ということに気づきました。
- 何となく、時間に追われて「早くはやく」と子どもを急かしていますが、叱るべきこと(怒るべきこと)は少ない
- 好ましい行動(増やしたい行動)のうち、自分自身が「それ位当たり前」とスルーしてしまっている部分に関して、もっと子どもに「見ているよ」ということを褒めて伝えることができたら、家庭内がもっと笑顔になる気がする
と思いました。
この、【好ましい行動(増やしたい行動)】に注目していくことについて学ぶのが、第3回の講義内容につながっています。
休憩
子どもの様子や母親としての家庭内での行動を発表する機会が多いためか、段々と休憩時間の会話が弾んできました。
私はまだまだ自分から積極的に声をかけることはできませんでしたが、
「家では、毎日何分くらいゲームさせてますか?」
と質問をしてくれた方がいて、それぞれの家庭内のルールなどを話しました。
15分間の休憩時間はあっという間に過ぎました。
ミニ講義~子どもの行動への良い注目の仕方と上手なほめ方~
資料を基に、講義を受けていきます。
親子のやりとりをプラスの方向に向けよう
- 子どもの良いところよりも、良くないところに注意を向けていませんか?
- 好ましい行動をほめることよりも、好ましくない行動を叱ることの方が多くなっていませんか?
- 気付かないうちに悪循環になっていませんか?
⇒これを機に、褒めると叱るのバランスを考え、少しずつ変えていってみましょう
やりとりのパターンを、まず親の方から変える・工夫することから始めましょう
ついつい子どもの良くないところにばかり注目して、子どもを注意することが多くなっている私は、もらった資料のこの言葉、頷くばかりでした。
子どもの行動は、自然には変わりません。
親が意識的に行動を変えて、工夫することで、子どもの行動が変わって来ることを期待しましょう。
やりとりをプラスに変えていくポイント【穏やかスイッチON】
怒りや声のトーンを抑えて、穏やかな声で接する
わずかな頑張りにも良い注目を与えてみる(できて当たり前のことから)
×他の子と比べて~…などはダメ。他の子が当たり前にできていることでも褒める
できて当たり前と思うことでも、子ども自身が頑張っていることは褒める
声掛けの仕方を肯定的にする
例)シャツだけを着替えて、ボーっとしている子どもに対して
「早くしなさい」⇒「シャツが着れてえらかったね。次は靴下かな」
肯定的な注目の仕方
肯定的な注目とは
- 子どもの好ましい行動に「気づいているよ」「知っているよ」「見ているよ」と伝えること。
- 子どもも「認められている」「気づいてくれている」「見てくれている」と思えること。
- 親が「見ている」「気づいている」ということに、子ども自身が気づいていることが大切。
子どもの行動に【気づいているよ】と関心を示し、肯定的なメッセージで伝えましょう。
注目言葉
大げさに褒めることはしなくていい。
- 励まし:「その調子」「もう少しでおしまいだね。頑張ろうね」
- 感謝:「○○してくれてありがとう」「○○してくれて、嬉しい」
- 褒める:「スゴイ!」「できたね」
- 行動に気づいていることを知らせる:「○○してくれているね」
- 興味や関心を示す:「どれどれ?」「○○してるの⁉」
注目動作
- 目:視線を合わせる。子どもの注目を引いて、見返すのを待ってから
- 身体:子どもに近づいてから。子ども度同じ目の高さに合わせて。
そっと身体に触れる、ハイタッチ、拍手などのボディタッチ - 表情:にっこり笑う
- 声:感情を込めて(場合や子どもの性質によって、ささやくように/元気いっぱいに)
上手なほめ方
上手にほめることで子どもが指示に従いやすくなり、好ましい行動が増えていきます。
子どもの自尊感情も回復しやすくなる効果もあります。
上手なほめ方①ほめる内容
して当たり前のことや、言われてからやったことでもOKです。
続けてほしい、頑張ろうとしている行動には、肯定的に声掛けをしましょう。
普段できないことが、できるようになったことを褒めがちですが、普段当たり前にしていることでも、続けてほしいことや頑張っている行動は、褒めるように意識します。
上手なほめ方②ほめるタイミング
子どもの行動が終わったタイミングで、その行動を褒めようとしますよね…。
行動開始から行動が終了するまでに時間がかかってしまう行動(例えば「宿題」など)は、行動全部が終わるのを待っていたら、途中で子どもの気が反れてしまったりして、褒めるチャンスを逃してしまうことがあります。
子どもの行動が始まったらすぐにほめましょう
行動が終わるのを待たずに、途中でもほめましょう
全部終わったら、もちろん大いにほめます
上手なほめ方③マイナスのほめ方に気を付けましょう
つい、言ってしまいがちなセリフですが、このようなほめ方はマイナス気分になってしまいます。
自分自身の行動や口癖を振り返って、マイナスなほめ方は、意識的に減らすようにしましょう。
- 批判:「良くできたね。でも、もっと早くやっておけばよかったね」
- 横取り:「上手にできたね。お母さんの言う通りやったらできたでしょー」
- 皮肉:「あら、珍しい。熱でもあるんじゃないの?」
- 他児との比較:「○○ちゃんよりも上手だね」
- 要求:「上手にできたね。でも、次はもっと上手に頑張ろうね」
褒めるチャンスを掴みましょう
私は、ペアレントトレーニングに参加して、《子どもを褒めることがとても苦手》という自分に気づきました。
「褒めてあげたら子どもが喜ぶだろうな~」と思っても、「でもそんなことできて当たり前よね」とスルーしていることが多いと気づきました。
勉強して、分かっていても、行動に移すのって、なかなか難しいです。
同じように、「自分は褒めるのが下手だと思う」と言う参加者もいます。
先生からは、
「ペアレントトレーニングを受講している間だけは、『自分が行動を変えたら、子どもがどう変化するかな?』という実験をしている気持ちで、取り組んでみてください。」
とアドバイスを頂きました。
「褒めなくてはいけない」と、○○すべきという「べき論」を自分に押し付けると、それ自体がストレスです。
ストレスがかかると、子どもに優しくなれない自分にも気づいてきましたので、「しなきゃ!」と思うのではなくて、
「ちょっと実験中~」という気持ちで、取り組めたらいいなぁと先生の言葉をすんなりと受け入れることができました。
実験した結果が、良くても悪くても、実験を頑張ったねと褒めてくれる場(ペアレントトレーニングの発表の場)があることも、やる気に繋がると思います。
自分自身、ペアレントトレーニングで、肯定的な意見やアドバイスをもらうことで、とても前向きな気持ちになれています。
子どもも、同じですよね。
子どもが嬉しくなるような声掛けができるように、次回のペアレントトレーニングまで実験です。
宿題について
宿題は、第2回までの
- 良いところ探し
- 行動観察シート
に
- ほめ方シート
が加わります。良いところ探しとほめ方シートは、同じ内容の出来事でも大丈夫なので、気負わずにやってきてと声をかけてもらいました。
今日の振り返り
振り返りのアンケートを記載します。
ペアレントトレーニングでは、絶対に自分が子どもに言ったこと、行ったこと、どんなことを取り上げても、まずは「そうなんですね~」と受け止めてくれます。
その時の場面を教えてください。お母さんはどんな気持ちだったんですか?子供さんの状況はどんな感じでした?と、自分自身で振り返り、気づくような声掛けをしてくれます。
今回は、1人1人のエピソード発表がどれも有益だったし、長くなってしまい、スケジュールが一部変更になりました。
それくらい、話していて心地がいいのです。
第1回目に参加すると決めてからも、「やっぱり行くのやめようかな~」と悩みましたが、参加して良かったと思います。
私も、同じような気持ちを子どもに感じてもらえるような声かけを心掛けたいなぁと思いました。
私が勝手に「イラスト版シリーズ」と呼んでいるのですが…
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